「……しゅーん!!交代よ!」

「あ?あぁ……」

「お前のプレー見てっから」

美原はなにも言わなかった。

それより私は野球部のマネージャーが

美原の名前を下で読んでることに驚いた。

「……カズ、いつ戻ってきてたの…」

「ん?一昨年。やっぱり沙奈、

美原のこと好きだったんじゃん」

「……違うよ。あのときはホントに…」

「あのときってことは今は俺のこと

好きじゃないんだな」

「……なによ。今更。振ったのは

カズじゃない!!!

なんで私がこんなに苦しまなきゃ

いけないのよ………」

「……沙奈が俺を苦しめたからじゃない

の?」「…私は、嫉妬深いカズが

嫌いだった」

「…ほら。言ってくれないから。

なんで言ってくれなかったの?」

「だって、いったらカズが傷つ……」

「傷つく?……なにいってんだよ。

沙奈が俺と付き合ったときから

充分傷ついてたんだけど」

「え…」