恋なんてしなきゃ良かった

「……え……?」

「か、カズアメリカに目を治しにいった

をじゃ……」

「もう治った。野球まだやってんだよ」

「……じゃ、じゃあ美原が練習中に

デッドボール食らわしたのって……」

「……俺だよ」

おかしい。何かがおかしい。

だって、別れようって言ったのは……。

「美原!カズが私を……」

カズに手で口を塞がれた。

「……んーんー」

「だーめ。言ったら俺の計画

ぜーんぶ台無しだから」

「……どういうことだよ…」

「お前そんなこと言える立場かよ。

俺の人生めちゃくちゃにしたくせに」

私は一生懸命首を横に振った。

目に涙を溜めながら。

違う。違うよ。カズの言ってることは

間違ってる。