恋なんてしなきゃ良かった

「沙奈ぁー?早くしてー」

裕美が叫ぶ。「おっそーい!!」

悠里が手を降る。

「ごっめーん!!服に気合い入れすぎた

ー」「もぉ!!まぁ私もだけど」

「ホントだ!!裕美可愛いー」

「私も泰斗に見てもらう為に!」

2人とも気合いが入ってる。

それもそのはず、今日は泰斗と美原の

野球の大会だからだ。

私服で来てと言われた…。

「沙奈の服新しいの?」「もちろん!」

「じゃ、行こっ!」

まぁ、いくって言っても学校になんだけど。

校庭に入ると……

「キャー!あの子かっこいー!」

などの声が聞こえる。

これも想定内。

「美原ー交代!!」「あとは任した!」

「まって!あの子もかっこいー!」

泰斗にも歓声が。

美原は校内に休みに行った。

校舎に入れるのは、ここの生徒と

選手だけ。

私は追いかけた。

「……美原!!」

「沙奈!!見てた?」「うん!!」

「お、沙奈の服可愛い」

「へへー」

美原の顔がいきなり冷たくなった。

「み…はら?」

今まで見たことないくらい青ざめてた。

「ど…どうしてここに…」

「……ん?」

誰かと話してるようだった。

私は顔を上げた。

「……か、カズ…?」

「え……沙奈…なんで…」

「沙奈久しぶり!!」

見たことのある顔。聞いたことのある声。

間違いない。


”カズ,,

だ。

「やっぱり駿は俺の大事なもん、

全部奪ったな」

「え!?ちょっと待って!!カズと

美原は知り合いなの!?」

「……こっちがききてぇ…」

「沙奈は俺の彼女だったんだよ」

カズはワザとらしくだったを強調した。