恋なんてしなきゃ良かった

「うっせぇよ……」

私は男子を落とす方法を多少知っている。

「ねぇ……教えて…?」

美原のシャツの裾を少し掴んで

上目遣いをしてみた。

「………分かったよ。だからさ…その…

あのさ、」「なぁに?」

「それ、辞めて?」「え、それって

なぁに?」「だから…上目遣いを…」

「うん、分かったぁー」

そういって上目遣いをやめた。

シャツも離した。

「……俺の好きな人は…」

美原にまっすぐな目で見つめられる。

ドキッとした。

パッと目をそらしたのは、私だった。

だけど….…逸らした瞬間、抱きしめ

られた。

ギュッ…

強く、きつく…。