恋なんてしなきゃ良かった

「今日はどこに行くの?遠出するって

言ってたけど…」

「ふふっ今日はね、美原の家で沙奈の

退院パーティーするんだよ!!」

「えっ美原の家??私の為に?」

「そうだよ!!百合菜と萌音も誘った

んだよ!」

「……2人は来ないよ。絶対に」

「なんで?」「……ケンカ…したから」

「そっか。あ、電話だ」

ピッ

「もしもし」

なにやら悠里は楽しそうに話している。

と思ったら急に悲しそうな顔をした。

「え……来れないの?」

と呟いた。

そしてしばらくして電話をきった。

「……悠里どうしたの?」

「……私の彼氏来れなくなっちゃった」

「そう……。ん?か、れ、しぃー!?

誰っ誰?」

「…わっ!!ちょっ…」

「ふう…ホント女子はそういう話、

好きだよな」「別にいいじゃーん!!

私の彼氏はね、泰斗なんだっ」

「……嘘っ!!泰斗!?いつから!?」

「去年の….…12月ころかな?」

「へぇ…いいなぁ…」

私は彼氏が出来た悠里が、少しだけ

大人になった気がした。

「…美原は!?」「は?なんで俺?」

「だって!百合菜ちゃん振ったとき、

好きなヤツ出来たって言ったんでしょ」

「はぁ…なんで知ってんだよ…」

「私、知ってるよ。美原の好きな人!」

ドクンドクンと胸の鼓動が早くなる。

コソコソッと悠里が美原の耳元で

話している。

「………でしょ?」

そういうと悠里は美原の耳から離れた。

みるみるうちに美原の顔が赤くなって

いく。「…あ!!図星でしょ!」

「うっせ…」

誰…誰なの?教えてよ。美原…。

「じゃ、着いたから入って」

「「「「おっじゃましまぁーす」」」」