恋なんてしなきゃ良かった

「私が高校2年生のときに………」

石川さんは懐かしそうに話し出した。

「高校2年生のときに初恋をしたの…。

相手はね、学年1の不良で先生も手を

つけられなかったの。………でもね、

その人が唯一心を許した人がいてね…」

「石川さんですか?」

またふふっと笑った。

「違うわ……」

心臓がズキンと音をたてた。

「彼女がね、居たの…。学校でも

いちゃついててね、そのたんびに

胸が痛かった…」

「じゃあなんでその人のこと好きだった

んですか?傷つくくらいなら他の人の

方が……」

美原が言った。

「分かってないなぁ。美原は」

「なにが?」

「他の人を好きになるくらいなら

苦しい方がマシなんだよ…」

「………沙奈ちゃんのいう通りよ。

私、その人に告白したの。

好きですって…」

「え…返事は…」