「なぁ…彼氏いるやつのこと好きでも迷

惑なだけかなぁ…」

「そんなことない。私なら嬉しいよ?」

「うん…ありがと…」

今日の授業は5時間だった。

私は珍しく小テストの追試をしていた。

ガララッ

「あれ?珍しくね?如月が追試なんて」

「み…はら…」

「教えてあげようか?」

「……んで?」「なんか言った?」

「なんで私に優しくするの!?

ほら、百合菜が怒るよ…」

「別に俺が誰に優しくしようと

俺の勝手だし。俺の全部が百合菜の

ものじゃない」

「……うん…」

そして美原に教えてもらいながら

追試をした。

私はまだ気付いていなかった。

百合菜が美原を迎えに来ていたことを。

「送ろうか?」「ううん。大丈夫!」

「気をつけてな」「うん!」

セミの声が聞こえる。

私はボーっとしていた。

キキィィィィ!!!

あれ?気のせいかな?なにか音がした。

振り返ると…

バンッ!!!

鈍い音がした。

なにも聞こえなくなった。

でもね、聞こえたんだ。




「如月!!!!」



って叫ぶ美原の声が。