「にんじんどこー?」「ピーマンも

ないんだけど」「卵やけたよー」

「ご飯炊けたー?」

今はちょうど晩ご飯を作っている

ところだ。

「阿部ーにんじんほい」「ありがとー」

「ピーマンは?」「いいや。いたっ!」

百合菜が声をあげる。どうやら

包丁で指を切ってしまったようだ。

「ちょっと待ってて、俺バンソコー

持って来るから!!」