恋なんてしなきゃ良かった

今日はカズと居られる最後の日。

「カズ!!来たよー」

「沙奈ー」

「……カズはさ、死ぬのが怖いって

思わないの?」

「…思わないよ!!だって、

みんなが俺が死ぬのを悲しんで

くれる。俺が愛されてるって証拠!

愛されながら死ぬのは怖くない」

いつからそんなに強くなったの?

いつからそんなに大人になったの?

「最後に見れたのが、

私の顔で良かった?」

カズはニコッと笑った。

享年17歳。

カズが私の前に現れることはもうない。