恋なんてしなきゃ良かった

「…カズ…カズは知ってるんですか?」

カズのお母さんは首をゆっくり

横に降った。

肩を震わせてた。そりゃあ、泣かない方

がおかしい。あと2日で死んじゃうん

だから。

「沙奈…ちゃん…?」

「え…?なん…ですか…?」

「だって沙奈ちゃん…










泣いてるじゃない…」







泣いている?そっと頬に触れる。

濡れた。

感覚はないのに、おかしいな。

「……顔…洗ってきます…」

「…そう?」

ガララッ

「あれ?母さん、沙奈は?」

「あぁ、顔洗ってくるって…」

「……せっかく美味しいのに…」

「それ…沙奈ちゃんが作ったの…?」

「おう」

「…そうなの…」

「……母さん」「なに?」

「俺、いつ死ぬの?」

「え…?」