ようやく唇は離れ、神藤くんはニヤッと笑っていた。
「男襲うなんて、淫乱な女だね。雛野恵(ヒナノ ケイ)ちゃん」
その笑みに、あたしは背筋に冷や汗が流れた。
なんだか、凄く嫌な予感がする―――……。
神藤くんはあたしを抱き寄せ、耳元に唇を寄せた。
「ばらされたくなかったら、オレの言うこと聞いてね?」
ばらされたら、どんなレッテルが貼られるかわかったものじゃない。
あたしは嫌々と首を横に振りながらも、彼から逃げることが出来ないでいた。
「嫌じゃないでしょ?」
彼が囁いた直後、神藤くんのサラサラの髪が頬に当たり、くすぐったくなった。
そんなあたしにお構いなしで、神藤くんはあたしの首筋を―――……。