レオくんと別れ、
待っててくれた愛ちゃんと合流すると、根掘り葉掘り聞かれたが、
昔のバイト先の先輩と言った。
間違ってはいない。
「でも、石井さん、石井聖平って名前じゃないですか。なんでレオくんなんですかー?それって結衣さんだけが呼んでるんですかー?あだ名ですかー?」
と、若い子特有に、と言うのか、
語尾を伸ばしながらさらに聞いてくる。

「本名は石井 レオナルド 聖平なのよ。
名刺に書くと長くなって名刺のバランス崩れるし、どうせ苗字で呼ぶんだから関係ないから書いてないんでしょ。
だからレオくん。
皆が呼んでたあだ名よ。
石井よりレオのが短いでしょ。だから先輩たちはレオって呼んでたの。私たちは後輩だからレオくんってだけよ。」

と答えても
「でも、あの間はなんなんですかー?
怪しいー!」
と食い下がってきた。

「あなたが想像してるようなことは何もなかったわよ!」
と答えると、しぶしぶではあるが納得してくれた。
そしてまだ
「でもいいなー。
私もレオくんって呼びたいなー。」
と言うので、
「本人に聞けばいいじゃない。」
と言ったが…
あの変な沈黙を何かあったのだと取ったらしい。
やっぱり女子は侮れないなー。

でもホントに元カレとかではないのだから、愛ちゃんが想像してるようなことは何もない。と、思う。