立ち上がった後、舜を何とか宥めて

一緒に帰ることにした。

しかし…どうして舜は僕といつも帰ってくれるのだろう…。



寒い帰り道、舜は突然変な話題を

持ち出してきた。



 「……湊って、可愛いよね…」



 「…へっ……」



衝撃のあまり、その場に立ち止まる。

そんな…舜って湊のことが……。



 「あれ?遥?…どう………えっ」



六年になって今日初めて…

泣いたかもしれない……。

口は笑っているのに、涙が溢れ出る。


どうして泣くんだよ…

これで湊が幸せになれるじゃねぇか……

泣き止めよ…、俺……



 「何で…泣いてるの……?」



舜は泣く僕に手を伸ばしてきたが、


バシンッ!!!



 「俺に触るなッ!!」



その手を思いっきり叩き、走ってその場を立ち去った。

後ろから何度も何度も僕の名前を呼ぶ声が聞こえたが、

そんな声さえ無視して走った。