「ん?あぁ、すまん。」


なんとか笑いは治まったようだ
でも、私になんのようなの?


葬式の間、
私に話しかけてくる人はいなかった。
ま、私の話しをする人は
たくさんいたけどね。

この男だって
周りの大人たちと
同じこと考えてるんでしょ?


「なにか用ですか?」


私は男を睨みながら
低く冷めた声で聞いた。


「そんな怖い顔するなって。
 可愛い顔が台無しだぞ?」


なにこの人…。
キモっ…。


「で?なんなわけ?」


イライラが増し、
眉間に皺を寄せながら
男に問いかけた。


「ん。」


突然差し出された
男の右手。


「はっ?」


まったく意味がわからない。
こいつ、まじで何がしたいわけ?


そう思い
差し出された手を見ていると


急に腕を掴まれ
男は歩きだした。