でも、本当にどうしよう...

実は、父親は
借金を抱えていた。

どうせ、女に貢いだんだろう。
ホント、どうしようもないバカだ。


まぁ、その借金は
家や車、価値のある物を
すべて売り払ってなんとか
返すことができたんだけど…。


問題は家を売ってしまったこと。
私を引き取ってくれる人は
いないわけだから
今日からホームレスってこと…

お金もないわけだし、
どうやって生活すればいいの…?


そんな考え事をしているとき…


タバコの香りが
私の鼻を掠めた。

ふと、顔を上げると
身長は170cm以上ある
黒髪の男が私の前を横切った。


葬式にはたくさんの人がいるのに
その男がなぜか目に止まった。


なぜだろう...?


今まで、
私は何に対しても
あまり興味をもつことはなかった。

なのに、
心のどこかであの男のことを
知りたいと思う気持ちがあった。