尽は他の大人たちとは違うのかな…?


そんな気持ちが芽生え始めた。



ダメ。
大人はみんな汚い。
大人を信じてはダメ。


私の心にある、
大人を信じれないという気持ちが
それを阻止する。



そうよ。
今まで見てきたじゃない。
大人たちの醜い姿を。


尽だって、
私にこんなことするのには
目的があるからでしょ?



大人に良心なんてないのよ。



「なぁ…。
 そんな見られると
 恥ずいんだけど…。」


「!?」



私は自分の中で葛藤している間、
無意識のうちに
尽をガン見してしまったらしい。



「ご、ごめん…。」


俯きながら謝る私に
尽は優しく微笑んだ。