「なぁ心愛、キャラメルいる?」




「キャラメル?」




中学最後の冬、唐突にそう言ってキャラメルをくれた彼、


須田優斗(スダ ユウト)。





小さい頃からの幼なじみで、下校はいつも一緒だった。





「それ、甘い?」



「だいじょーぶ!甘いモン嫌いな心愛のために、ココアキャラメル持ってきた!」




なんだそれ。

心愛だからココア?




「…ダジャレ?」



「違ぇよ!ほら、苦いココア味だって。食ってみろよ」




ふーん、苦いんだ。



あたしは優斗からキャラメルを受け取って、口に含んでみた。