淡く儚い月に見守られ

『一体亜梨紗ちゃんに何言われたの』

「あたしが遥翔さんと付き合うなんて生意気だって、あたしに遥翔さんは渡さないって言われました」

『あの子そんな事言ったのか? まったくしょうがないな』

「何かあたしが遥翔さんと付き合っているって勘違いしているみたい」

『そうだったんだ、実は彼女にはほんと困っているんだ。もうずっと前から僕にまとわりついてそう言う気持ちは無いからって彼女からのアプローチを断っているんだけどなかなかあきらめてくれなくてね』

この時の遥翔の声は電話口からも分かるほど困り果てている口ぶりであった。

ところが困っている遥翔をよそに、杏奈からは意外な言葉が発せられた。

「そうだったんですか、でも亜梨紗さんの気持ちも分からなくもないなぁ。やっぱり好きな人には振り向いてほしいもの」

『でもだからって杏奈ちゃんにひどい事言って良い事にはならないよ』

「あたしは別に良いんです。ただテレビでは清純なイメージの亜梨紗さんがあんな事を言うなんて、ちょっとそのギャップにびっくりしちゃっただけですから」

この時杏奈は遥翔から亜梨紗に関して思いもかけない実態を聞かされる。