藍よりも深く

中西様を見送ったあと、裕子さんのいるテーブルへ駆け寄った。

「裕子さん!聞いてませんでした!こんなことしてたなんて、驚きですよ。本当にありがとうございます。」

『ふふ、まこちゃん、中西様のお気に入りだもんね。ほんと、ふたりは母娘みたいに見えるわ。中西様、あのピアスのために何回も打ち合わせにきてくださってたのよ。今日までばれなくてほんとよかったわ。』

「まったく気づきませんでしたよ!裕子さん、隠すの上手ですね。私だったら自爆してバレちゃいそうです。」

『たしかに、まこちゃんが自爆するの想像できるわね。』

「裕子さん、ちょっとそれひどいですよ?」

『ふふふ。あ、もうすぐ笠原様がいらっしゃる時間だわ。今日はご友人もつれてくるっておっしゃってたのよ。ご友人もなにか探されてるみたいだから、まこちゃんよろしくね。』

「はい、わかりました。笠原様のご友人ってことは、きっと素敵な男性なんでしょうね。」

『類は友を呼ぶっていうものね。』