藍よりも深く

「中西様、お待たせいたしました。こちらがリング、こちらがプレゼント用のピアスでございます。お出口までお持ちしますね。」

『まことさん、いつもありがとう。』

「中西様、こちらこそ、いつもありがとうございます。中西様とおしゃべりするの、毎回楽しみなんですよ♪また遊びにいらしてくださいね。」

『まぁ、うれしいわ。私もまことさんとおしゃべりしてると、若返るような気がするのよ。また、話しましょうね。』

「ええ、ぜひ、おねがいします。楽しみにしてますね。」

紙袋を手渡し、「ありがとうございます。」とお辞儀をしながら言って顔を上げると、なぜか中西様はお帰りになられず、こちらを向いていた。