ふと画面を見ると、残り2の文字
「2?」
このカウントが始まったのはいつからだ。
きっと、彼女との電話が始まってから。
何で減っていっているのか?何時―?
確認するのは、彼女との電話の後。
やはり、このカウントダウンは彼女との電話のカウントダウン。
「…っふざけるな!」
ぼふんとおとがする、
そう思ったのとほぼ同時に携帯を投げつけていた。
幸い投げた場所が敷きっぱなしだった布団のおかげで、壊れた様子はない。
「ふざけるなよ…」
立っていることもままならず、ずるずると床に座り込む。
足が震えていて立つことは出来なさそうだ。
勝手に僕と彼女を繋いでおいて、勝手に終わらせるつもりなのか。まだ初めて電話がかかってきてからそんなに日にちは経ってない。
まだ彼女に話したいこと、話さなければならないことが沢山あるんだ。
あの時、伝えられなかったことも今、伝えたくて仕方がないことも。何も、話せていないのに。

ポロポロと床に水滴が落ちた。一滴だったそれは次々に落ちてくる。ああ、拭かなくては。頭の中では冷静に考えられても、溢れ出すそれを止めることは出来なかった。
止める方法があるのかさえ僕にはわからない。
これで、二回目だろうか。
君から電話がかかってきてから僕が泣いた回数は。
(伝えなきゃいけないこと)
(たった後2回でどうやって伝えればいい?)