「菜穂ッ!!移動教室一緒にいこー★」

 「あ、いいよー。」

 いつもの日々。
 
 いつもの学校。

 いつもと同じ、トモダチ。
 
 なのになぜだろう?

 いつもと違く見える風景。

 「菜穂・・?どうかした?具合悪い?」

 「えっあ、うん、大丈夫だよ。ごめんね、麻衣。」

 麻衣は、トモダチ。

 私の親友。

 もうすぐ、「離れて」しまう、トモダチ。

 「そっか、ならよかった♪菜穂はすぐ体調悪くなるもんね~。」

 麻衣はそう言って笑った。

 どうして笑っていられるんだろう。

 悲しくないのかなぁ。
 
 
 私は俯いて自分の手を強く握った。