「すること、ない」
とりあえずここにいても意味はない
そう判断し、路地裏を出る
…光に足を踏み入れることにまた躊躇する
あーあ、こえぇ
「これからどーしよ」
フラフラと光の中を歩いてなにかないか探す
退屈しのぎになりそうなものを
歩いていれば!段々と光は少なくなっていき、遠くに何かが見えた
…こう、えん?
『僕もあれ乗りたいよっ』
『我慢しなさい、お前は――なんだから』
「…だる」
チッ、嫌なこと思い出しちまった
嫌な思い出のあるその場所から動こうと思い、足を動かしたとき。
「ここら辺でいいか…」
「いやっやめて!!」
「うっせぇなぁ、お姫さまよぉ」
「っ、nightの姫に手を出したらどうなるか知ってるの!?」
「知らねえなぁ」
面白そうな声が、公園の奥から聞こえ、俺は出した足を元に戻した
night?なんだそれ
姫?いまの時代にもいるのか?
「あたしに手を出したらnightが出てくるんだから!あんたらみたいなクズぼこぼこにされるんだから!」
「へぇ…それは楽しそうだなぁ」
同感
こいつになんかしたらぼこぼこか…
楽しそうだ
「nightに勝てない二番目のくせに!」
「ハッ、なんとでも言え。お前らヤれ」
「いやぁっ」
ビリビリとなにかを破く音がする
そのなにかはたぶん服
…しゃあねぇ、止めてやるか
楽しくなりそうじゃねぇか
俺は公園の中へと足を踏み出した



