side客観



倒れたユエを見て、それでもニヤニヤを止めない男たち

どうやら女をモノとしか思っていないようだ



「じゃあ、俺から…」


そう言ってズボンに手をかける男は先程からユエを引っ張っていた男で

男たちがユエの体に触れようとした途端、ピリリと辺りが凍った


これが、殺気というモノか




「ヒッ」



ある男は逃げ出し、ある男は腰を抜かした


ズボンの男も例外ではなく、動かない

いや、動けないのだ


逃げたくても逃げられない




そんな時、ふらりとユエが立ち上がった




男たちはユエの目を見て思った



「ああ、俺たちは手を出してはいけない女に手を出した――…」と


真っ黒に染められた目に写したものをユエは次から次へと倒していく




「っ、テメェ誰、だ」


痛みと恐怖に震えながら男はユエにきく


すると今まで無表情だったユエが小さく笑った

ただ、それだけの動作なのに美しく、そしてとても恐ろしかった




「俺はユニ、だ」


そうユエ、いやユニは言うと男に拳を降り下ろした