「俺と付き合わない?」 あたしは頭の中をフル回転させて、その言葉の意味を考えた。 「それって、彼氏と彼女ってこと?」 聞き間違いかもしれないし、勘違いかもしれないから、改めて聞いてみる。 「そーだよ、それ以外に何があんの?」 寝そべっていたイガラシが、よいしょ、と言いながら起き上がってあたしの隣に座った形になる。 そして、呆然としているあたしの顔を覗き込むようにして、イガラシの顔が近付いてきた。