信号が青に変わった瞬間、あたしの隣に居たイガラシは走っていった。 イガラシにはもう、あたしの存在なんか忘れてる。 そんなことは考えなくてもわかった。 「沙織……」 「翔ちゃん…?」 翔ちゃんって呼ばれてたんだ、とかそんなようなことを頭の隅っこで考えながら、あたしは2人を見ていた。