「ごめん、遅くなった」 悩みに悩んで質問をまとめた後、読みかけの本に手をかけたところで羽鳥くんが図書室のドアを開けた。 走って来てくれたのかもしれない。 息は弾み、その額にはじんわり汗をかいていた。 「大丈夫。質問を紙にまとめてたらあっという間だったよ」 そう言うと、羽鳥くんは不思議そうな顔を浮かべる。