「じゃあね、幸。せっかくだからメールして、翔太と距離縮めな!」 放課後、それだけを言い残して部活に行くタイちゃんを見送ってあたしも帰る準備をする。 カバンを提げて教室を出た。 「高橋?」 廊下を歩くあたしの名前が呼ばれる。 振り向くと、サラサラの前髪をちょんまげにしたジャージ姿の羽鳥くんが立っていた。