そろそろあたしも教室に戻らないと。 そう思って図書室を出た。 教室までの道を歩いていると、廊下の向こうに茶髪の背中。 イガラシだ。 近付いていって、挨拶をする。 「おはよう、イガラシ」 「おー、いいんちょー。朝、早いね」 いつものイガラシが遅いだけなのに、今日も人一倍眠そうだ。