あたし達は特になにか会話するわけでもなく、7月まで過ぎた。 そんなある日の授業中、先生から夏休みの課題として読書感想文が出される。 「めんどくせー」 「つーか何読んだらいいかわかんねーし」 「読書なんかしたことねぇよ」 次々に出る不満でクラスは一気に騒がしくなる。 そんな時だった。 「何を読んだらいいかわかんない奴は高橋にオススメ聞いたらいいんじゃない?」 羽鳥くんの発言にクラスは静まり、あたしは注目の的になった。