朝日が入ってくる早朝の明るい図書室で、あたしは読む本を選ぶ。


だけど、どうしても浮かぶのはイガラシのことで、本のことが全く頭に入って来ない。



いよいよ途方に暮れてがっくりうなだれた。



「高橋?」



急に名前を呼ばれて驚いて振り向いた。



「羽鳥くん?」



そこには部活の朝練にでも行ったのか、ほんのり額に汗をかいた羽鳥くんが居た。



「どうしたの?朝から委員会の仕事?」


「あー…うん。まぁそんなとこ?」



それにしても羽鳥くんは朝からさわやかさ全開だ。