大好きな図書室に行ったけど、本を読む気にも、勉強する気にもなれなかった。 イガラシのことを考えるだけで、他のことが手につかなくなる。 「恋って怖いなー」 思わずそう呟くと、後ろからふふふっ、と笑い声が聞こえる。 「何が怖いって?」 突然の言葉にビックリして振り向く。 「羽鳥くん!?」 振り向いた先にいるのは、1年の時に同じクラスだった羽鳥 涼(ハトリ リョウ)くん。 「久しぶり、高橋」 羽鳥くんは、去年、図書委員をやっていた。