あたしの返事が聞こえたのか、イガラシは集団から身を乗り出してあたしの方を向いた。 「隣の席、よろしくね。いいんちょー」 茶髪に、ピアスのその風貌からは想像し難い、ふにゃっとした笑顔を向けられた。 こんな顔、するんだ。 なんとなく、さっきの廊下での不機嫌そうな顔を思い出した。