ー10年前ー
「らーいとっ!」
「うぉっ!?」
後ろからアタックしてきたのは章哉。
「ふはっ!いっつも安定した反応してくれるわー♪」
そう言ってクスクス笑っている。
「急だからだろ。」
本当に、章哉のアタックはいつどこで繰り出されるか分からない。
「2人とも仲良いねぇ。」
そう言ってダボダボの制服の袖を口に当てて笑う人一倍色白で細い辰紀。
クラスが同じで、俺らはいつも3人で騒いだり遊んだりしていた。
この3人で居るのが俺にとって一番落ち着く場所であったし、2人もそうだと言ってくれた。
「なぁ、もう少しでオリエンテーション合宿だよな?」
高校に入ってすぐ、オリエンテーション合宿と言うものがあった。
「友達出来るかなぁ?」
「たつやったらすぐに出来るやろっ!」
「楽しみだな。」
「おん!」
俺らはこれから始まるであろう楽しい高校生活に胸を躍らせていた。

