体を起こしたその時、サイドガラスを叩く音がした。 右を見ると、上野が小さく微笑んで立っている。 窓を開けると上野はそこに手をかけ、顔を横に傾げながら、「高坂君、このあと予定入ってる?」と言った。 「別に、なにもないよ」 「えーと、一緒に遊ばない?」 言いながら、少し緊張したように硬くなる上野の顔。 助手席を一度見て、小さく笑った俺はCDケースをダッシュボードの中に入れた。 「乗る?」 瞬間、上野の表情が明るくなり、「うん!」と弾けるような返事を聞いた。