「こないだはどうも」


「お互い客としてここで会うのは初めてね。まさか恭君がここに来るなんてね。しかも土曜日にねぇ。ヤスくんの話はあてになんない」

「四人で一緒に?」


こないだの話の流れでは、このメンバーはあり得ないだろう?


「まさか。大輔たちとはさっきね、偶然よ。その人がそうなのね?」


静さんは綾の前に歩み寄り、微笑んだ。


「河原です」


綾は俺が紹介する前に名前を言った。

俺が知っていたのは「橋本」という名だった。

その名字は俺も初めて知ったから、そんな表情をしていた俺に綾が呟いた。


「前のに戻っちゃったからね」

「そっか」

河原綾――。

そっかぁ。


「青山です。で、こっちが旦那」

「どうも」


康則さんが笑顔を見せてくれた直後、上野が康則さんと綾の間に顔を出してきた。