会社に大輔さんから電話があった。 スピーカーとミキサーのレンタルについての問い合わせだった。 その電話を取ったのは俺だった。 最初は気付いていなかった大輔さんも、話しているうちに声の主が俺だということに気付いたらしい。 「恭司か――。やりにくいな」 「一応、仕事には私情は入れない主義ですよ、俺」 「まぁいい。場所のファックスを送るから、当日の午前中には搬入してくれ」 「わかりました」