ソファーに座っていた俺の隣に綾が座り、俺はコーラをグラスに注いだ。


「かんぱーい!!」

「何に乾杯?」


綾が俺の顔を覗き込む。


「んー、さきいかパーティーに」

「パーティー? そうね、かんぱーい」


顔を綻ばす綾を見て、自分の中の緊張が解れてきた。

正直、綾がこうやってまた俺を部屋に入れてくれるとは思わなかったから。

訊きたいことはたくさん心の中で渦巻いていたけれど、今はこの時間を楽しもうと思った。

俺の気持ちをぶつけても、綾を困らせるだけかもしれない。

それにちゃんと言葉にしたから、俺の想いを。

あとは焦らずに待つしかないんだろう。

俺一人が突っ走ったって、それは俺が本当に求めているものではないのだから。