俺が呟いたその言葉に、彼女の濡れている目が見開かれる。
いつの間にか、涙は止まっていた。
「ゆー、くん…」
「ん?」
「ごめんね…」
俺の頬に落ちた彼女の涙を、彼女は自分自身の白い指で拭う。
指先は、少しだけ、冷たかった。
「そんなこと言わせて、ごめんね」
「リカ…」
「でも……ありがとう」
微笑んだ彼女は俺の上からおりて、隣に寝転がる。
そして、しがみつくように俺の服の裾を握り締めて安心したように眠ったのだ。
(キミの欲しい言葉なら、いつでも喜んで囁くよ。
もちろん、全部本音だから。
だからさ、リカ。
そんなに不安に怯えなくても大丈夫だよ。)
「…おやすみ」
リカが、どうか、よく眠れますように
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