「なぁ、麻理大丈夫か?」

いきなり、風人に言われたこと。なんでだろう?
「なんで?大丈夫だよ。」
「そうか?顔赤いから、熱でもあるんじゃねぇかなーって思ったから…」

そ、それは…風人と話すと緊張するから…っとは、言えない。
「熱なんて、あるわけないでしょ?バカは風邪ひかないって言うし♪」
「そっかー!大丈夫なら、大丈夫だねー!あとさ、今日の放課後、屋上来れる?」
「うん、全然行けるよ」
「話があるんだ。」

放課後になり、ウチと風人は屋上にいる。

「風人、話しってなに?」
「単刀直入に言います。」
「うん」
「俺は、麻理のことが好きだ。だから、俺と付き合ってください。」
えっ、えっ…えー!!!まさか、風人から言われるとは思ってなかった…。
「うちも、風人のこと好きだよ。でも、付き合うことはできないかな…。」
そりゃ、できるわけない。病気持ち…いつ死ぬかは、わからない。それなのに、付き合ったら、迷惑かけるだけ…。
「なんで?」
「ウチ、病気持ちなんだよ?いつ、風人の前から、いなくなるかわからないんだよ?…風人には辛くて、大変な思いをさせたくないから…。」
ごめんね、風人。ウチの本音だよ。
「今から、そんなこと言うのやめろよ。俺は、麻理が目の前からいなくなるなんて考えたこともねぇよ。なのに、なんで本人がそんなこと考えるんだ?たしかに、怖いのかもしれない。心配なのかもしれない。だけど、俺は、ずっとずっと、麻理を守るよ。そして、ずっとずっと隣にいてやる。だから、付き合おう?」
守ってくれる…。うれしいよ。こんなウチでいいのかな…。
「ありがとう、風人。ウチだって、風人と付き合いたいよ…。」
「それなら、付き合おうよ。もう大丈夫だ。麻理には俺がいるから。」

ありがとう、本当にありがとう。
ウチは、いま生まれてきてよかったって思ってるよ。大好きな人に、巡りあえてキセキだと思ってる。
ウチは、いつしか風人の腕の中にいた。
「ありがとう、麻理」

―チュッ…
「風人に、ファーストキス奪われた…」
「イヤだった?俺は、嬉しかったよ?」
「イヤなわけないじゃん!からかってみただけ!」

本当に、この世界中の中で、ここに生まれて、風人に出会えて、キセキだと思う。
この星、この世界、この場所に、いること自体に感謝します。
ありがとう。
風人、こんなウチを見つけてくれてありがとう。ずっとずっと、大丈夫な気がするよ?風人と一緒なら…