「え、いなくなったの？」



仕事の合間にかかってきた聖司からの電話に思わず叫んだ。


「ああ。俺が理桜を呼んでいる間に」



桜井先生の体調も少し回復し、もう少しで抜糸という状態だった。


聖司も悩んだようだが、どうしても理桜が必要になったらしい



「今、探している」



「私も仕事終わったら手伝う」



まだ万全ではないはずなのにどこへ行ったんだろう



「悪い。頼む」



「誰のせいでもないよ」



仕事を切り上げると同時に先輩から電話がかかってきた




「先輩？桜井先生見つかりました？」



「まあ。ただアイツには言わないほうがいい」



どういうことだろう……



「今晩行っていい？寄り道するから少し遅くなるけど」




「はい。大丈夫です。お待ちしています」



先輩がやってきたのは10時を過ぎていた。