あまりにも驚きの言葉に、びっくり眼で貝塚先生を見つめた。


 だけど先生の目には嘘や冗談なんて要素はちっとも感じられなくて、本気なんだってすぐ分かった。


 「あの。私……」

 「誰か好きな奴いる?」

 「ち、違」

 「だったら、俺の傍にいて」

 「え、と……」

 「こんなことがまたあったら、俺、気が気じゃねーよ。お前のこと、一番傍で守りたいんだ。駄目か?」


 ちょっと離した距離をぐっとまた近づけられて、すっぽりと腕の中に収められた。


 それに動揺した私は思わず息も止めてしまっていて、しばらくしてから『ぷはぁっ』と息を吐き出す。


 しかし、仮にも告白されているこの状況下で、この息の吐き出しはなかった。


 しまったと思った時には遅くて……


 「クククっ、ほんと笑わせてくれる」


 貝塚先生に笑われてしまった。


 「ちょ、先生ひどっ」


 酷いと言いかけてまた遮る先生は、私を抱きしめながら胸のあたりまで顔を下げて


 「どっちが酷いの?」


 なんて、意地悪な顔で言う。


 もう完全に私はことのき響ちゃんに落ちていたと思う。


 だってそうじゃなきゃ――


 「す、き……」


 なんて言っちゃう訳がない。


 でも多分。


 私、今日桃ジュースを落としたあたりで、先生に落とされてたんだと思う。


 で、ココまでは懇願調の響ちゃんだったのに、すぐさま逆転したのは流石私たち。


 「よく出来ました」


 にっこりと極上の笑みと意地悪の混在した笑みを浮かべると


 「これくらいは許してくれるだろ?」


 そう言って私の後頭部に手を回して深い口づけをお見舞いしてくれた。




 こんなことされて……絶対好きになっちゃうに決まってるよ!



 と、心の中で抗議をしつつ。


 私はめでたくこの時から響ちゃんの彼女になったのでした。