「♪~♪~♪~…」


あぁ…またあの夢だ。

いや…記憶といった方が正しいかな。


幼い私とあの女の人が
花畑で一緒に歌を歌っている。


私はその人に問いかける。

「何でそんなに歌が上手なの?」

その人は「んー…。」と考えながら答えた。

「沢山歌っているからかな?」

「沢山歌ったら上手くなれるの?」

「声を出すには練習が必要だからね。
でも1番大切なのは『想い』だよ。」

「想い?」

「そう。歌が大好きだという想い。
皆の心に届けたいという想い。
そういう色んな想いが私は大切だと思う。」


女の人はにっこり笑って
私の頭を撫でてくれた。


その笑顔は…

誰かの笑顔にとてもよく似ていた。