天使の歌声


「苦手というか…した事無いんです。」

今まで台所さえ入れてもらえなかったから
料理なんて生まれて一度もした事がなかった。

「何も出来ないんです。
人が熱で苦しんでいるのに…。」

何も出来ない自分が嫌になった。

「これから出来ればいいよ。」

「えっ?」

「何も出来ないと分かってても
挑戦する意気込みはいいと思うよ。
その気持ちがあれば大丈夫だ。」

「椎名さん…。」

「それに、卵は殻を取り除けばいいし
あいつは普通の林檎より
すりおろし林檎に蜂蜜をいれた方が
好みだよ。」

「…甘党なんですね。」

「あいつは味覚まで子どもだからな。」

「あははっ!!」


椎名さんのお陰で少し元気が出た。