天使の歌声


「……っ!!」

翔太の笑顔を見たら更に身体が熱くなった。

心臓がドクンドクンと大きく脈打って…

何かおかしい…。

「天音大丈夫?顔、赤いよ?」

「へっ!?」

顔を触ると確かに少しいつもより熱かった。

「熱あるの?」

「だっ大丈夫!大丈夫だからっ!!」

顔を見られないように上を向くと
薄暗い空に星が輝き始めていた。

少しひんやりとした風が身体を通り抜け
火照った顔を冷やしていく。

「ここは夕日も綺麗だし星がよく見えるな。」

「うん。だからこの花畑は
お気に入りなの。」

「わかる。俺も気に入った。」

チラッと顔を覗くと翔太は
少年のように瞳を輝かせながら星を見ていた。