天使の歌声


「自分自身?」

「天音は…どうしたい?」

「私は…。」

私の将来(みらい)を決めるのは、

親でも、他の人でもない。

自分自身の手で掴むもの。


私は…

「私は…歌いたい…。」

言葉にした瞬間、何かが溢れた。


「歌いたい!ずっとずっと…
大好きな歌を歌いたい!!」

すると頭に温かい感触を感じた。

「うん。」

翔太に頭をポンポン撫でられると
涙がもっと溢れてきた。

天音が泣き止むまで翔太は頭を撫で続けた。


泣き止む頃には空に架かっていた虹は
いつの間にか消えて無くなっていた。