「えっ?」
天音は顔を上げた。
翔太の顔はとても悲しそうな顔をしていた。
「天音の歌を聴くと伝わってくるんだ。
歌が大好きな気持ち。
もっともっと歌いたいって…。
そんなに歌う事が大好きなのに、
その気持ちさえ隠して諦めるなんて…
苦しいよ、きっと…。」
あぁ、この人には全部伝わっちゃうんだ…。
私の本当の気持ち…。
天音の目から涙がこぼれ頬を伝った。
「私には…将来(みらい)が
もう決められている。
歌いたくても…歌えないの…。」
「誰が決めたの?」
「誰がって…。」
「将来(みらい)を決めるのは
誰でもない。自分自身だ!」

