天使の歌声


「どうしてここに…?」

「あの公園でギター弾いてたら
天音の歌声が聴こえたから
走って来ちゃった。」

「そうなんですか………ん?」

天音は疑問を感じた。

「私の歌声…街まで聴こえるんですか…?」

「えっ!?知らなかったの?
微かにだけど街まで聴こえるよ。」


知らなかった…。

まさか自分の歌声が
街まで届いていたなんて…。

「街じゃ噂になってるよ。
『天使の歌声』が聴こえるって。」

「天使の歌声!?」

「まさか噂も知らなかったの?」

「初耳です…。」

今まで人に見つからないように
歌っていたのにまさか街まで聴こえて、
しかも天使の歌声なんて噂にまでなって…。

「天使の歌声なんて…
何かの間違いないじゃ…。」

「間違いないじゃないよ。」

「どうして?」