「それなら私に申し上げてくれれば
取りに行きましたのに…。」

「心配かけてごめんなさい。
会場に戻ります。」

それから石田さんと会場に戻り
パーティーが終わるまで
何とか笑顔を保ちながら過ごした。


パーティーから帰る時、
父親はこれから次の仕事がある為
天音とは別の車で帰って行った。

車内にはあの重い空気は無く、
少し気が軽くなった。


街を眺めていると
彼…三国翔太と初めて出会った
公園が見えた。


(そういえばあの人…
「またね。」って言ってたな…。)

今日は偶然にも会えたが
次会える日は来るのだろうか…。

「三国…翔太…。」

ポツリと名前を呟くと
胸の奥がまたギュッとなった。


いつもなら憂鬱な気分のパーティー。

でも今日は違う…


特別なパーティーの夜だった。