「パーティーか…。」

渡されたドレスを見つめ
天音は小さく溜め息をついた。

可愛いドレスは好きだ。

だけどパーティーそのものは
あまり好きじゃない。

知らない人皆に愛想笑いをしながら
話を聞くだけのつまらないパーティー。

パーティーなんて出たくないが
私は藤崎家の娘。

出ない訳にはいかない。

「普通の女の子なら友達と遊んだり、
彼氏とデートしたりするんだろうな…。」

でも、それも叶わない夢だ…。


「我慢だ、我慢。」

自分に言い聞かせながら
天音は朝食を食べる為、部屋を出た。